展覧会「ドナルド・キーンと渡辺崋山」に行ってきました!12月3日(日)まで開催してますよ~

11月24日(金)に、田原市博物館(愛知県田原市)で開催されている展覧会「ドナルド・キーンと渡辺崋山ー崋山の叡智にふれてー」に行ってきました。

今回はこの展覧会について、以下の項目に沿って書いてみました。
ご興味のある項目だけでも、お読みください。

なお、同展覧会は12月3日(日)まで開催しています。
まだ間に合います!
ご興味のある方は是非行かれてください。

《項目》
①同展覧会の開催場所・期間など
➁同展覧会の開催契機
③ドナルド・キーンと渡辺崋山、それに田原市博物館の関係って何?
④しまの介が、同展覧会を知った経緯

⑤田原市博物館って凄い!
⑥ドナルド・キーンについて
 ◎学歴が凄い!
 ◎日本での交友関係が凄い!
 ◎功績が凄い!
⑦渡辺崋山について

 ◎絵が国宝って知ってました?
⑧同展覧会で、しまの介が感動したものとは?
⑨新たなテーマを見つけられる兆し?

同展覧会の開催場所・期間など
開催場所
田原市博物館(愛知県田原市)

 行き方は公共交通機関ですと、JR豊橋駅と名鉄豊橋駅に隣接している私鉄「豊橋鉄道 渥美線」新豊橋駅から乗車。
終点の「三河田原駅」で下車。
(電車の乗車時間は35分です)
徒歩約15分の場所にあります。

開催期間
前期:2023年10月7日(土)~11月5日(日)
後期:2023年11月7日(火)~12月3日(日)
休館日:毎週月曜日

開館時間
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

入場料
一般700円 小中学生350円
(田原市在住・在学・在勤の方は、観覧無料)

同展覧会の開催契機
 この展覧会は、以下のいくつかの周年を記念して開催されたみたいですね。
田原市制20周年、田原市博物館開館30周年、渡辺崋山生誕230年

ドナルド・キーンと渡辺崋山、それに田原市博物館の関係って何?
日本についての研究者であるキーン氏が、渡辺崋山についても研究して、著作「渡辺崋山」を書いています。

その渡辺崋山は田原市出身(田原藩の家老でした!)。
そのご縁で、2017年4月にキーン氏が田原市博物館の名誉館長に就任しました。
そんな関係と➁の周年記念から、今回の展覧会の開催となったみたいですね。

しまの介が、同展覧会を知った経緯
しまの介がこの展覧会を知ったのは、全くの「たまたま」ですね。

11月21日(火)の中日新聞(しまの介は東海地方在住)の朝刊、27面(社会欄、テレビ欄の裏面ですね)の下部広告を「たまたま」見たら、この展覧会の広告が載ってました。

会期 | 12月3日まで開催中って!
えっ!もう時間ないじゃん!

ドナルド・キーンって、日本について研究した人だよね。
渡辺崋山って、名前知っているけど”儒学者”だったかな?
両人についてのしまの介の知識は、この程度のものです。

でも、「田原市って通過したことはあるけど、市内に行ったことはないし、展覧会で新たな発見もあるかもしれない。日帰り旅行がてら行ってこようかな」と思い立ち、行ってきた次第です。

田原市博物館って凄い!
行く前に「田原市博物館」を調べたら、「田原城跡」内にあるんですね。
そもそも、田原藩があったことも知りませんでした(江戸時代は300藩もありましたからね)。

行ってみたら、このお城跡がけっこう立派(もちろん再建ですが、石垣も堀もある!)でして、ビックリしました。
(デジカメにSDカード入れるの忘れて、城門の写真は撮れませんでした)

ドナルド・キーン(1922~2019)にいて
ドナルド・キーン氏については、しまの介は日本についての研究者だったくらいしか知りません。

以前、テレビで同氏のドキュメンタリーを観たり、新聞記事を読んだことはありましたが…

今回の展覧会では、同氏についての20分?程度の紹介ビデオが流れていました。
そのビデオと展示での同氏の経歴、著作の現物を見て、凄い人!だということがわかりました。

学歴が凄い!
高校卒業まで飛び級を重ねて、アメリカの名門コロンビア大学文学部を16歳!で卒業っていうのは凄いですね。

しかも州の最優秀生徒に授与されるピュリッツァー奨学助成金を得たため、学費は全て奨学金で賄ったそうです。

その後はコロンビア大学大学院から、ハーバード大学大学院へ転学。
ケンブリッジ大学に進んだ後に、京都大学大学院に留学しています。
その間に、コロンビア大学で博士号を取得してます。

日本での交友関係が凄い!
同氏は、三島由紀夫谷崎潤一郎川端康成安部公房司馬遼太郎などの錚々たる作家達と交友関係を持っていました。

こうした交友関係を得られたのは、京都大学留学時の下宿先が同じであった永井道雄(後の文部大臣)から、永井の幼なじみで中央公論社の社長であった嶋中鵬二を紹介されたのがきっかけでした。

嶋中氏の文壇との幅広い人脈によって、こうした作家と親交を結ぶことができたようです。

う~ん、人脈って大事ですよね!
ちなみに、しまの介は人脈、全くなし。

功績が凄い!
ドナルド・キーン氏のモチベーションは、「英語で読める日本文学通史」を執筆すること。

1976年から1992年まで、16年の歳月を費やして「日本文学史」全10巻を完成してます。

1993年に英語版「日本文学通史」4冊を完成。

1997年日本語訳版「日本文学の歴史」全18巻を完成。

その他にも、日記文学の歴史をたどる「百代の過客 正・続」や、日本の芸能についての「能・文楽・歌舞伎」、伝記作者として「明治天皇」渡辺崋山「正岡子規」など、著書を多数執筆しています。

こうした功績から、2008年には文化勲章を受賞しています。

そして2012年には日本国籍を取得しています!

渡辺崋山(1793~1841)について
渡辺崋山って、しまの介は”儒学者”だと思っていました。
“儒学者”については、しまの介は「言志四録」を著した佐藤一斎や、幕末期の横井小楠なんかに興味はあるんですが…

今回の展覧会でわかったことですが、渡辺崋山は佐藤一斎の門人であったんですね。
ですから、”儒学者”ではあったわけです。

その一方で、蘭学にも興味を持ち、それが原因で「蛮社の獄」で捕らえられ、結局48歳で自死しています。

ところで、崋山は佐藤一斎の肖像画を描いています。
そうなんです!
渡辺崋山の本業?は画家、特に多くの肖像画を残しています。

今回の展覧会では、佐藤一斎の肖像画がいくつか展示されていました。
なかなか眼光鋭い感じの人物ですね。

そして肖像画鷹見泉石像複製も展示してありました。
なぜ複製かって?
本物は国宝なんです!(現物は東京国立博物館にあります)

この絵って、教科書かなんかで見た記憶はありましたね。

キーン氏が評伝「渡辺崋山」を著したのも、崋山の描く肖像画に強い興味を持ったからみたいです。

同展覧会で、しまの介が感動したものとは?
上記の通り、今回の展覧会では特にキーン氏の業績について強い興味を持ったのですが、その他にもしまの介が感動したものがありました。

それはキーン氏が所蔵していた松尾芭蕉の句の書画です。
山水画に書かれた芭蕉の句は「枯れ枝に 「烏(からす)」のとまりけり 秋の暮れ」というもの。
(この句、しまの介は全く知りませんでした)

この句が山水画の中に書いてあるのですが、なんと「烏(からす)」の文句のところは文字ではなくて、木に止まっている数羽の「烏(からす)」のが描いてあるんです。

つまり山水画の中に、文字と「烏」の絵で俳句を書いているんです。

この木に止まる数羽の「烏」と背景の山里の風景が、なんとも枯れた感じとなっており、「秋の暮れ」の侘しい感じを醸し出してるんですね。

「いや~、いい絵だなぁ」と、暫くその絵を見入ってしまいました。

新たなテーマを見つけられる兆し?
今回、「たまたま」新聞の広告を見て行った展覧会でしたが、ドナルド・キーン氏にいたく興味をいだきました。

大学時代は梅原猛氏の日本文化についての著作などは読んでましたが、キーン氏の著作を中心にして、日本文学や文化について改めて学んでみたいという思いが生じました。
(しまの介は日本文学は、ほとんど、いや小説というものをほとんど読んでおりません。虚構よりも作家の書いた随筆など、より直接的なものを好むタイプですね)

そこで早速、キーン氏が著した以下の著書を図書館で借りました。

百代の過客(正)
おくのほそ道
同時代を生きて
(③の本は、瀬戸内寂聴鶴見俊輔とキーン氏の対談本です。3人とも同じ年に生まれたようです)

新たなテーマが見つかったような日帰り旅行でした。

参考:今回の展覧会のパンフレット(71頁 1,200円
(A4判で写真や絵がふんだんにあって、上質紙。それが1,200円で購入できました。今どき、パンフレットといえば3,000円程度が相場(高い!)。それに比べてなんと良心的な価格設定なのでしょうか!もちろん、買いました!)
P.S.(追伸) あの芭蕉の句の絵も掲載されてますよ!小さいですが…